抑えておきたいHEPAフィルターの性能について徹底解説!

2020年12月24日

私たちの生活・産業にかかせないものとなっている空調機器ですが、そこで使われているエアフィルターについてはよく分からない、特にこだわりなく最初から付いているものを使っているというケースも少なくありません。

ただ、エアフィルターは使い続けているうちに劣化していくため、空調に悪影響を与えるだけでなく機械の故障にもつながりかねません。

そこでエアフィルターで最も一般的なHEPAフィルターについて詳しくご紹介します。

空調用エアフィルターの内の1つ!HEPAフィルターとは?

空気清浄機やクリーンルームに使われるエアフィルターは、その性能によって区分されています。

一般的に使用されているエアフィルターであるHEPAフィルターは、High Efficiency Particulate Air Filterを略したもので、日本独自の規格であるJIS規格において、『定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター』(JIS Z 8122)と定義されています。

HEPAフィルターは1940年代に、アメリカ政府によって軍事用として放射性物質の飛散防止を目的に開発されたものです。そのため、HEPAフィルターは完全気密となっていなければ意味がありません。小さな穴でもそこから汚染されてしまいます。さらに外部からの刺激だけでなく通常の使用でもフィルターは破損してしまう可能性があります。そのため、HEPAフィルターは定期的に点検し破損箇所がないかどうか、また気密が保たれているかどうかをチェックする必要があるのです。

HEPAフィルターは一般的にはクリーンルームや空気清浄機に使用されていますが、家庭用掃除機でもハイエンド機種で採用されています。

HEPAフィルターの特徴と性能

空気清浄機はファンなどを使って空気を吸い込み、フィルターを通すことで空気をろ過し、粒子をキャッチする仕組みとなっています。ここで使用されているHEPAフィルターは、空気清浄機の大きさによっては折りたたんだ状態で取り付けられています。フィルターの面積が広ければそれだけ多くのホコリの粒子をキャッチできますが、そうなると機械自体も大きくなってしまいます。また小さな粒子をキャッチするためにフィルターの目を細かくするという方法もありますが、そうなると今度は空気が通り抜けられなくなってしまいます。空気を通し、空気中の粒子を確実にキャッチするために、蛇腹式に折りたたんだ状態のHEPAフィルターが主流となっています。HEPAフィルターの規格とされる「粒径が0.3μmの粒子」とは、直径0.0003mmの微細粒子のことです。花粉症の原因であるスギ花粉は直径30μmですが、その他の花粉は平均して直径10μm、またハウスダストやダニ、カビといった微生物も直径5μm以上なので、HEPAフィルターであれば99.97%これらをキャッチできる性能を持っているといえます。

HEPAフィルターでコロナウイルスを捕まえられるか?

2020年初頭から世界中で感染拡大している新型コロナウイルスは、今も様々な研究が進められていますが根絶には至っていません。特に空気感染の可能性があるため、空気清浄機で対応ができないか気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ウイルスは細菌と違い生物ではありません。基本的に他の生物の細胞に寄生して増殖するため、治療法がないウイルスが多く存在します。そのため、ウイルスに感染しないことが一番の対処法といえます。

結論からいうと、コロナウイルスを死滅させることはできませんが、HEPAフィルターでウイルスを捕集することは可能です。それによってウイルスを封じ込め、他への感染を防ぐことができます。そのため、HEPAフィルターを使用した空気清浄機やパーテーションは、感染症外来協力医療機関への補助金の対象となっています。また、ダイオキシンやアスベストなど、人体に悪影響を及ぼす物質もHEPAフィルターを使用すれば対策が可能です。

何年で交換すべき?HEPAフィルターの寿命について

空気清浄機に使われているHEPAフィルターは、半永久的に使用できると表記されているものもありますが、実際には寿命があります。HEPAフィルターは気密となっているため使用しているだけで破損してしまう可能性があるためです。さらに使用環境によっては多くの粒子を集塵することになるため、その性能が低下してしまいます。また、フィルターの厚さや使用している空気清浄機の性能によってもフィルターの寿命は短くなってしまいます。つまり、使用している環境や使用している時間など様々な要因により、寿命は異なると考えておきましょう。また交換の目安として、圧力損失も判断材料になります。圧力損失とは、フィルターを空気が通り抜ける時に生じる抵抗がどれだけ低下したかを見るもので、微差圧計を使用して測定を行います。もしくはフィルター装着時に差圧計を取り付けておく方法も有効です。初期値からプラス80paになったら交換なので、交換時期が判断しやすくなります。

まとめ

空気清浄機のフィルターとして一般的なHEPAフィルターですが、高い集塵機能を持つと同時に、使用環境によっては早く寿命となってしまうこともあります。機能が低下すると細かな粒子をキャッチできなくなり本来の性能を活かすことができなくなります。そうならないためにも、定期的な点検とフィルター交換が必要です。コロナやインフルエンザなどのウイルス対策にもフィルターは有効です。空調用エアフィルターのことなら、取り扱いのある当社大東産業株式会社にお任せ下さい。

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